Wednesday, 12 March 2025

Letter of Thanks To MUTO 2012

 Letter of Thanks


TANAKA Akio 





               
                         

謹啓
緑陰日々に深き候となりましたが、益々御健勝の事と存じます。
此の度は立派なお品を御送りいただき、厚く御礼を申し上げます。
日頃御無沙汰を申し上げるばかりで、申し訳なく存じております。
体の方はおかげさまで元気にしておりますが、時折足が痛んだりしますのは、歳月のなせることでしょうか。
女房と時々国内の小さな旅に出ますが、それ以外はこの片田舎で日々すごしております故、全く時代おくれとなるばかりです。
武藤さまはきっと多くの御本を読まれるのでしょうが、私はほとんどなさず、若かったときから好きだった数学の本や俳句の本を拾い読みする程度です。ラテン語(とギリシャ語)はなにか面白そうですが、改めて文法を読むのも面倒で、辞書を引いた時にその語源をラテン語・ギリシャ語で確かめることなどしています。
結局一番時間を費やすのは、小さな庭に毎日咲く花などの手入れで今年はバラの花が良く咲き、今はアジサイが何ケ所かで咲いています。シャクナゲも少しずつ大きくなりましたが、どの位までこれから伸びるのでしょうか。
昨年の秋に秩父の方を訪れたとき、ほとんどどこの家にも柿の木があって、芭蕉の句を思い出しました。

   村古りて柿の木持たぬ家もなし

文学を教えてくださった古田先生から教えてもらった句です。
そんな訳で旅のあとに、柿の木の小さなものを買って植えましたら、それがことしはいきおい良く伸びて、大きな葉を日にかざしています。
何か若者のようで気持よいです。
あと木蔭になればと数年前に植えたブドウが今は拡がり、いくつもの実もつけて、窓外を涼しくしてくれています。

   父植えしブドウの日々も帰り来て   里行

 七月四日 暑い一日でした、いつもいつも有難うございます 謹具
                      
                                 田中拝
  武藤様
             



 

No comments:

Post a Comment

On Principle of Immanent time in character 2025

  On Principle of Immanent time in character   2025  SRFL Sekinan Research Field of Language TANAKA Akio The papers related to Principle of ...